DCCについて

DCCについてよくある質問です。ご参考願います。

DCCの利点はなんですか?

ネットでDCCを検索していただくと、必ず同一線上複数列車制御のことが書かれています。
確かにそれも魅力ですが、国内のHOスケールの走行環境を考慮すると、余裕を持って同一線複数列車を制御できるレイアウトは大変少ないと思われます。
列車の自動制御は将来的には自動閉塞信号のような制御方式を取り入れていくと思われ、狭いスペースでも衝突の危険がない自動制御運転が実現できると思われます。

現在ではメルクリンのCS3がそれに近いことを行っておりますが、取扱い店が少ないこと、コストや設定の煩雑さもあり、あまり普及しておりません。

これらを考慮して現在のDCC搭載 外国型鉄道模型の利点をまとめると下記のようになります。

複線、複々線、ポイントが多くてもコントローラは一台で済む。(配線が少なくて済む)

通常の直流制御でそれぞれの車線の列車を制御する場合、車線の数だけコントローラが必要ですが、DCCなら1台で済みます。

最近のDCCコントローラは平均1〜3A程度の出力がありますので2〜6列車程度は同時に動かすことができます。

1車線1列車で運転する場合、2〜6車線までコントローラ1台で済みます。
実車同様右側通行、左側通行のすれ違い、複々線での追い越し等自由に走行できます。
ただし、それぞれの列車にはデコーダを装備して、別々のアドレスを設定する必要があります。

車線を跨ぐ渡り線を設ける場合、通常の直流制御なら、ギャップを設け、各車線のコントローラの出力や向きを合わす等という面倒なことになりますが、DCCではギャップを設ける必要もありません。

ポイントは基本的に非選択式になりますので、通常の選択式ポイントに比べポイント線路の接点不具合は劇的に減り、渡り線を設けるほど線路の通電状態は良くなり、電圧降下も少なくなります。
ポイントをDCC化すると配線はポイント内部で完結しており、ポイントからコントローラへの配線が省略できます。

気軽にサウンド搭載車両を操作して楽しむことができる

最近の外国型鉄道模型のDCC搭載車両は、ほとんどがサウンドデコーダを搭載しています。
よってDCC車両を購入するということはサウンド搭載車両を購入するということになります。

はじめからサウンドデコーダを搭載していますので、後付の面倒な分解や取付は必要ありません。
実際の音を出しながら走行するシーンはよりリアルに感じられ、鉄道模型は”鑑賞する”から”運転する”という能動的な動機に変化します。

国内のHO車両もカンタムシステム等最初からサウンド搭載車両がありますが、外国型のそれは質、量、コストともに圧倒的に有利です。

なお、音をミュートにしたり、音量、音質(イコライザー、エコー)を調整することも可能です。

また、最初から音なしのDCC搭載車両をお求めの場合は、DC(直流)仕様の車両にデコーダを取り付ることになります。
最近の車両は6,8,16,21,22ピンコネクタ等の仕様ですから、DC車両でもワンタッチでデコーダを取り付け可能です。
よってデコーダの面倒なはんだ付けは必要ありません。
メルクリン等3線式の車両は音なしの車両でも最初からデジタル化されていますので、デコーダを取り付ける必要はありません。

重連総括制御が簡単にできる。

主にアメリカ型の利点ですが、重連運転が多いアメリカ型の機関車はたとえメーカ、機種が同じでも同一アドレスに設定して動かすとスピードに差が出てしまいます。
この差がわずかならさほど問題ありませんが、大きく差があると重連運転したときに機関車の負担が大きくなってしまいます。
さらに同一アドレスだと先頭以外の機関車のライトを消したり、先頭のみ、ファンクションを有効にしたりすることができません。

これらの問題を解消する機能がDCCコントローラにあります。

各機関車には別のアドレスを割り当て、初速度、中間速度、最高速度設定、CV66,95等のトリム機能を調節することにより速度差をできるだけ少なくします。(調整する機関車が全てBack EMF制御の場合(後述)、無負荷状態にて先頭機関車を若干速く設定する方が負荷バランスがよくなります。)

速度調整が不可能な機種もございます。
その場合、スロットルを増設することで簡単に重連協調が可能です。

さらにユニットコントロール(Consistアドレス)機能により、重連運転したい機関車のアドレスをまとめてユニットアドレスを割り当て、ユニットアドレスを選択してスロットルを回すだけで、重連運転が可能です。

先頭機関車のみライト点灯やファンクションを効かせたい場合は、先頭機関車のアドレスを指定して、ライト点灯やファンクションボタンを押すだけです。(CV21,22等ユニットアドレス指定でファンクションを有効にする方法もございます)

電圧降下や勾配による速度変化を小さくできる。低速安定性が増す。

最近のDCC搭載車両はほとんど、Back EMF(back electromotive force)機能(負荷フィードバック定速制御)が備わっています。
この機能は線路電圧や勾配などによる外部要因によるモータへの負荷を感知してモータ回転数を一定に保つ機能です。
勿論負荷が限度を超えると回転数を一定に保てません。
これにより電圧降下や勾配による速度変化を小さく抑えることができます。
特に下り勾配では実車でいう抑速ブレーキを効かせながら下ってくるシーンを再現できますので、通常のDC仕様車両ではジェットコースター状態で勢いよく下ってくるような危険な運転を避けることができます。

ただし、フルスロットルで上り勾配に入ると定速制御の範囲を超えますので速度を一定に保てません。

また、ヤードでの入替作業、連結作業、他 超低速運転が必要なシーンでも止まることなく定速で動きます。

次にBack EMF機能の欠点を述べます。
◎この機能により動きがギクシャクする車両もたまに存在します。
大型の蒸気にその傾向があります。
その時はBack EMF機能を切ることにより解消することが多いです。
Back EMF機能はほとんどのDCC車両で切ることが可能です。
ただし、新品の動力車は走行させていくうちに、動きが滑らかになる可能性も多々ありますので、線路や車輪の汚れが原因ではなく、動きがギクシャクする場合はしばらく走行させて様子を見ることをお勧めします。
なお、モーター制御(微分制御、積分制御等)のCV値により、動きが悪くなる場合もございますので、変更の場合は元のCV値を読み込み、メモしておくことをお勧めします。

◎ゴムタイヤ付動力車がBack EMF機能を効かせた状態で衝突又は脱線した場合、モータやシャフト、ギヤ等の駆動部品に過大な負荷がかかり、Back EMF機能がない車両よりもダメージが大きくなる可能性があります。
できるだけ衝突前にストップボタンを押す。衝突してしまったら速やかにストップボタンを押して電流を遮断してください。

◎カーブ、直線共に速度が一定なので、実車のようにカーブで速度を落とすことがないため、高速走行させると動きが不自然に感じる可能性があります。
Back EMF機能がないとカーブでは負荷が大きくなることにより自然に速度が落ちます。
急曲線ほどより速度が落ちますので実車に近い運転になります。

よってこの機能は走行車両やレイアウトの環境、個人の好み等により機能の入切を選択してください。

ヤード、待避線で縦列駐車ができる

DCCの特長である個別制御を使うことにより一本のヤードに複数の車両を待機できます。元々一編成分の長さしかないヤードならこの利点はありませんが、小編成の列車を2編成ヤードに入れたい場合や機関車を複数待機させたい場合等は便利です。
ポイント数の節約にもなります。

勿論ヤードだけではなく、待避線にも同様なことが言えます。
待避線を2つ作成し、スプリングポイント(カトーユニトラック等)を活用することにより、単線行き違い運転等が簡単にできます。

暴走運転を防げる

最高速度設定を低くしたり、加減速設定を緩やかにすることにより、暴走運転や走行中の方向レバー切替による車両故障、脱線等を防止できます。
主にレンタルレイアウトでの車両貸出や初心者、子供の暴走運転対策に有効です。
もっとも、DCCコントローラには運転に直接関係のないボタンが多数並んでいる為、それらを押さないようにカバーを付ける等の処置が必要と思われます。

DCC車両は壊れやすいのですか?

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取扱いを間違えなければ壊れにくいです。
よくショートしただけで基盤が焼けた等の噂がありますが、DCC搭載車両、コントローラー共に過電流検知遮断装置が備わっていますのでショートしたら、ただちに電流が遮断されます。ご安心下さい。

次にDCC車両を通常の直流制御(DC)で運転する場合は説明書を見てDC運転可能であることを確認してください。
当店が確認したところではデジトラックス、MRC製のデコーダ搭載車両はDCCのみ運転可能でDCの運転は不可です。

なお、パルス電流等、常点灯装置を内蔵するようなコントローラ(下記参照)でDCC車両を運転しますと、デコーダの破損、エラー、暴走運転等を起こす可能性が高いですから絶対運転しないでください。
説明書にDC運転可能であることを記載されておりましても、当店はDCC車両を直流運転可能であることを保証しておりません。
当店DCC車両の検品はDCC電源のみで行います。予めご了承下さい。

パルス電流を発生するコントローラ
・トミックス製Nゲージ用コントローラ(緑色の旧式コントローラを除く全て)
・カトー製 パワーパックスタンダードSX
・カトー製 KC1
・カトー製 ハイパーD、ハイパーDX
・ロクハン製Zゲージ用コントローラ
・コスミック製コントローラ各種
・その他パルス電流を発生するコントローラ

また、デコーダは発熱し、高温に弱い性質がありますので、夏季(30℃以上)の長時間運転はお避け下さい。
当店の調査では室温28℃(夏季にエアコンを作動した状態)にて、3時間程度の連続走行(スロットル70%程度)はサウンド搭載車両でもまったく問題ございませんでした。
3時間以上でデコーダが焼損するという意味ではありません。

連続走行は10分程度で停止したほうがよい等と書かれているサイトもございますが、DCC車両はそこまで繊細ではありません。お好きな時間、速度で走らせてください。

また、線路の汚れに大変弱いとの噂がありますが、そんなことはありません。確かに3線式と比較すると、汚れには弱いとなりますが、通常のDC仕様と同様に線路の清掃を行っていただければ、普通に走行します。
ただし、最初から車輪がまっ黒に汚れている車両を走らせると、通電性が悪いばかりか線路を汚しながら走行するも同様なので車輪を清掃してから走行させて下さい。

DCCはコストが高い、面倒だと思いますが?

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確かにデコーダを搭載する分車両価格が上がることは事実です。
コントローラも通常の直流制御に比べて高価であることも事実です。

しかし、コスト上昇に見合うだけのメリットは上述の通りございますし、サウンド搭載車両を導入された方はそれ以降新車購入の頻度が下がり、結果的に車両の稼働率が上がり、車両購入コストが下がったとの報告もございます。

また、DCC車両はデコーダのCV設定だけでも数十種類、製品によっては100種類以上の設定変更を楽しめますし、サウンド搭載機はサウンドデコーダを変更したり、プログラマー(音やCV値を書き換える装置)を使ってお好きな音源をインストールしたりと、一台(一編成)の車両でも楽しみ方が豊富にございます。

通常の直流制御の車両はどうしてもレイアウトで静かに走行するのを眺めるだけになりがちで、サウンド搭載機に比べ”飽き”が早い傾向にあります。
そのため、サウンド搭載機より車両購入頻度が上がってしまうのかもしれません。

しかし、以上の点を考慮しても、別に音は鳴らなくていい、1線しか走らないし、レイアウトメインで車両は脇役なんだから高価で設定も面倒なDCCは不要と考える方もいらっしゃると思われます。
それはそれで一つの方針なので、無理にDCCをお勧めすることはありません。

DCCが普及している欧米でもDC車両はDCC車両と必ず併売されていますので、まだまだ一定の需要があります。
ただ、音源を自分で作成、又はサウンド機とは別のサウンドデコーダを装備するために敢えてDC車両を購入する方も多いと聞いています。
また、日本ではNゲージが主流なので、HOのレイアウト、レンタルレイアウト自体が少ない上、DCCはあまり普及しておりませんし、レンタルレイアウトではDCCの持ち込みを禁止している所も多いです。

当店もDCCの特性から、レンタルレイアウトでDCCを導入することは不向きと考えます。

まず、サウンド搭載車両は雑音の多いレンタルレイアウトでは聞こえにくい上に他人にとっては騒音になりかねません。
サウンド搭載機を楽しむためにはある程度の大きさの静かなパーソナル空間が必要です。

次にDCC車両の同一線複数列車制御を行うと、衝突、脱線等の事故やDC車両にDCC電源が流れて他人の車両を損傷することもあり、ただでさえ脱線、接触事故が多いレンタルレイアウトがDCCによりさらに危険になる要素が多くなります。

お店はこういうトラブルには当然責任を取ってくれません。
結局DCC車両を持ち込んだ方の責任にされる可能性が高いです。
よってDCC車両はレンタルレイアウトより狭くても自宅での運転やDCC車両のみの運転会等に向いていると思われます。

ただし、レンタル車両を貸出している場合はDCCを導入することにより、DCCの利点 6.で述べたような暴走運転が防止できます。

次にDCCの面倒と思われる点について述べます。
一般的にDCCの煩雑と思われている点について下記に列挙します。

・CVの設定がよく分からない。日本語の説明書がない。
・CV設定のために一々プログラム線路に載せ変えないといけない。
・デコーダを装備するためにボディーを分解するのが面倒。分解中に破損する可能性もある。

まず、CVの設定内容ですが、確かに英語では不明な設定内容も多いですね。
当店にご連絡いただくか、ネットで調べたり、不明でも設定変更してみることをお勧めします。
設定全てをデフォルトに戻したい場合は、ファクトリーセッティングのCV設定をすれば元に戻ります。

次にプログラム線路に関してですが、最近のDCCコントローラはCVプログラム時に一々別の線路に載せ変えなくてもCV変更したい車両アドレスを指定して、”メイントラックにてプログラム”を実行すれば、変更したい車両のみの設定が変更されます。
アドレス変更等一部サブトラックでのプログラムしか受け付けないCVもございます。

たとえ、他の車両と通電していても他の車両も同時にCV設定変更されることはありません。
勿論アドレスはそれぞれの車両を別々に設定する必要があります。
HOのビッグボーイ等大型蒸気をプログラム線路に載せ変えるのは非常に大変ですから、”メイントラックにてプログラム”を選択して設定変更してください。

デコーダの取付に関してですが、確かにボディー分解がしづらい機種もございます。
そのあたりは購入前に当店にご連絡をいただくか、分解の必要がないサウンド搭載機の購入をお勧め致します。
また、デコーダは搭載させる車両のピンの数に合わせたものを購入下さい。
21ピンの車両に8ピンのデコーダを取り付けることはできません。その逆も不可能です。

デコーダの取付方法ですが、デコーダが最初から被覆されている場合はそのままピンを車両本体の基盤内のソケットに差し込んでください。

被覆されていない場合は必ず絶縁ビニールテープで被覆をしてから取付けてください。
ピンが長すぎてボディーがしっかり取付られない場合はピンをニッパー等で少し切って接続部の高さを抑えてください。

通電状態でデコーダの取付を行うと故障の原因になりますので、線路から降ろした状態で取付けて下さい。

デコーダの配線部分はできるだけ束ねた状態でスペースがあるところにテープで固定してからボディーを取付けてください。

以上DCCのコストや問題点、優れている点を述べましたが、一昔前と違いDCCは非常に身近になりつつあり、ご経験のない方は一度お試しになられることをお勧めします。
それでもDCCは煩雑だ、高いと思われたならDCに戻られたらいいと思われます。
逆に一つの車両で長期間DCCに没頭される方もいらっしゃるかもしれません。
DCCはお勧めはしますが、DC車両を否定している訳ではありません。
最終的にはユーザー様が選択されるものです。